高齢者への政治
ある日、病院での風景をみて、ふと気づいたことがあります。
大勢が見るテレビ(外来待合室や、病棟面会フロアなど)では、国会中継が放送されていることが多いようです。そして、高齢者の方々が何人かでこれをみています。もっとも、病院にいる患者は高齢者が多いわけですが、彼等がみるときに、そのような場所であまりバラエティー番組などがふさわしくなければ、どうしても国会中継、という風になってしまうのかも知れませんが・・・
でも、個人が自由な番組を選べる病室のテレビでも国会中継をみている高齢者が多いようです。
結局、高齢者が政治に強い関心をもち、選挙に行く確率が高い、ということで、政治家は高齢者の歓心を得られる政策すすめるようになります。
例えば最近話題の定額給付金。子供・高齢者に多く支給する、とのことです。子供は少子化対策ということもあり理解できるのですが、高齢者は一体??
定額給付金の目的が景気対策、ということであれば、高齢者は他の世代よりも消費するということでしょうか?そうは思えません。
今回の景気悪化でダメージが大きいのは、現在働いて給料をもらっている世代ではないでしょうか?高齢者でも働いている人ももちろんいますが、退職者の割合が多いのは事実です。
彼等にとってのダメージは、
・年金の減額
・インフレの進行による年金や保有資産の相対的な価値の低下
・消費税値上げ
・高齢者自身が負担する社会保障費の増大
・社会保障の質の低下
になります。
年金の減額はとりあえずなさそうです(今後の世代が貰える年金は明らかに減ることが分かっているのですから、早急に減額すべきだと思いますが)。
一時物価が上がりましたが、商品価格は低下し、景気の悪化もあいまって、ここしばらくは、むしろデフレ方向に進みそうです。
景気の問題がなければ、消費税もいずれ値上げが必要なら早急にあげるべきだと思います。しかし、現状の景気では難しいのでしょう。
後期高齢者医療制度が施行されましたが、非難の嵐で、改悪も近そうです。彼等に応分の負担を求めることがおかしいのでしょうか?年金からの天引きがけしからんと言っているのは、踏み倒すつもりなのでしょうか?
今後、医療・介護により多くの費用が必要となりますので、社会保障の質の低下は予想されます。しかし、現在の高齢者よりも、将来の高齢者の方がより低質な社会保障になるのは目に見えています。
むしろ、現在の景気悪化で年金で生活し、預貯金・債券で資産を保有していた高齢者は勝ち組です。ほとんどダメージはありません。今後、現在の高齢者がお亡くなりになった後に、国の財政、年金の財源が苦しくなっても、もう関係はありません。困るのは現役の世代なのです。こんなことをはっきりという政治家はいません(選挙で当選できません)。マスコミもいません(叩かれたら困るからです)。
ただ給付金をばらまくのも考え物ですが、高齢者により手厚くばらまくのは選挙対策以外に意味があるのでしょうか?これもまた敗戦の日本を乗り越え、支えてきたことに対する恩賞なんでしょうか?
若い世代は、政治にあまり関心を持たない、選挙にも行かないという人が多いのでしょう。仕事をしていれば、昼間から国会中継なんてみません。ただ、あまり無関心すぎると、この国の資産は大きく目減りして、自分たちが将来に苦しむことになります。
お年寄りを大切にするのはいいことだ、年金から保険料を無条件に天引きされるのがかわいそう、などとのんきに言っている場合ではないと思います。